イワン・イリイチの死

トルストイさんの小説は長編が多いので、
ハードルが高いのですが、本作は短めです。

それでも、やはりトルストイ・ワールドが広がります。

あまりにも絶望的な展開に主人公と同様に
私の心情も奈落の底に連れて行かれます。

そして「痛み」と「イワン」の対話が妙にリアルに感じます。

それまでの人生を振り返っても理不尽に「イワン」を
痛めつける理由など見つかりません。

それはエリザベス・キューブラー・ロスが言うところの
「ラスト・レッスン」。

これだけ「死」の情報が毎日溢れ、
誰でも直面することなのに、老いも若きも他人事。

「イワン・イリイチの死」はみなさんの死です。

本作にはロシア文学特有の登場人物名の難解さや複雑さもなく
文章自体は読みやすいと思います。

(ただ、内容は深く重いですけどね。)

2015年07月09日 | Posted in books | | No Comments » 

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です