戦争の罪を問う

人類史上、最低最悪な野蛮行為、原爆投下の日に。

ショーペン・ハウアーからニーチェ、そしてヤスパース。
そんなドイツ人思想家の系譜。

ナチスからユダヤ人の奥さんと離婚するように強制されても
死を覚悟しながらも拒否した愛と気骨あふれる哲学者です。

そんなヤパースが第二次世界大戦の罪を問います。

序説の冒頭

「ほとんど全世界がドイツを弾劾し、ドイツ人を弾劾している。」
「処罰と報復が要求されている。」
「ドイツ国民の生活は困窮を極めている」

「困苦と従属のうちにあるわれわれの生活が、
今はただ自らを欺かない真実によってのみ
その尊厳をもち得るということである。」

戦後、ドイツと似たり寄ったりの状況の日本において
ヤスパースのような人はいたのだろうか。

多くの日本人は帝国陸軍に騙されたといって、
罪はない、責任はないといって一気に民主化路線を突き進む。

本当に罪はないのか?その認識でいいのか?

それでは問題の本質にはたどり着けない。
多大なる犠牲の教訓はないのか?

ドイツや日本だけでなく、戦勝国にもナチスや帝国陸軍のようなものが
生まれる可能性だってあるのです。

そのようなものが生まれるのを待つまでもなく、
民主主義の国が非人道的な原爆を使用し、
69年経ても、その行為の正当性を訴える事実もまた、
恐ろしいものであります。

ケネディさんはなんとコメントするのでしょう。

ちなみに1995年のNHKによる各国の世論調査によると
原爆投下が正しいとしたのは米国62.3%、日本8.2%、ドイツ4.3%です。

2014年08月06日 | Posted in books | | No Comments » 

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