神に守られた島

神に守られた島 中脇初枝著

「君はいい子」「私を見つけて」
「世界の果てのこどもたち」…

中脇さんの作品はどれも素晴らしく思います。

そして、今回は、戦争末期の沖永良部島が舞台。
新聞もラジオもない島の生活は情報が極端に少ない世界。
学校も閉鎖中の子供目線でお話は展開されます。

天気のいい日は、北の鹿児島から、南の沖縄へ
日の丸飛行機を見上げる日々。

でも、今まで一度も南から北へ向かう
日の丸飛行機を見ることはありません。

縦横無尽に飛び回る飛行機は、
動くもなのならなんでも打ちまくるグラマンのみ。

大人たちは「しかたない」が口癖。
とても違和感を感じました。

そして、次のセンテンスが刺さります。

「騙された…..騙されたで済ましたら、
一度騙された私たちはきっとまた、騙される。」

「騙されるだろう…」

「天気のいい日は空襲日和」ってところも
苦笑いしてしまいましたが、思えば、この松本にも
早朝から空襲警報が流れてから1年も経っていないんです。

iPhoneからの警告音、地震警報じゃありませんでしたもんね。
「地下街に避難ください」って地下街ないし….。

この作品は今だからこそ、書かれたように思います。
私は8/15に1日で読んじゃいました。

辛い話ではありますが子供たちの優しさ、逞しさに
救われる気がします。

そして、事あるごとに三線で、歌われる詩に。

2018年08月23日 | Posted in books | | No Comments » 

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