神秘

私の好きな作家さんの1人、白石一文さんの作品にて、
本作は末期の膵臓ガンに侵された50代前半の男性が主人公です。
白石さんならではの語り口で3.11後の作品として、心に響いて来ます。

人間関係が「神秘」的に絡み合いすぎて、胡散臭いんですが、
それこそ白石ワールドですし、そんな事は小さい事のような気がします。
石巻市を訪ねてからの最終盤の展開は震えて来ます。

そして希望の光も感じられる作品です。

気になったセンテンスを。
「ガンになるという事は子供時代を終えて大人になるようなものだ。」

そのセンテンスを読んで、以下の文言を思い出しました。
「人間には2種類ある、ガンを経験した者とそうでない者。」

2人に1人はガンになる時代ですから、両親ともガンを患った
私もいつか、ガンになるのだと思います。

その時の準備は怠らないようと心かけていますが、
無駄な努力のような気もします。

やはり、「自己喪失の恐怖と戦い、他人の為に今を生きろ」って事か。

余談ですが、松本市農協と石巻市農協が姉妹協定を結び
現地にて、復興支援を行っていることは嬉しいことです。

2014年10月01日 | Posted in books | | No Comments » 

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です