incedcies / 灼熱の魂

2009年カナダ/フランス映画。

レディオヘッドの「You And Whose Army」で始まるオープニング。
そしてカメラを直視するバリカンで髪を切られれる少年のシーン。

これは…とんでもない作品が始まる予感がしました。
もちろん監督がドゥニ・ヴィルヌーヴだからですが….

舞台はレバノン、時代は1970代と2000年代。
母の遺言に従い、双子の姉弟がそれぞれに父親と兄を探す旅に出ます。
それは母の熾烈な半生を追体験するものとなりますが
私たちの想像を遥かに超えて行きます。

1+1=2ではなく1+1=1という心震える現実。
数学の助手をしている姉の声にならない慟哭。

深い愛と憎しみの連鎖を断ち切る途方も無い勇気。
知らない方が良かったと思える灼熱の現実。
それと引き換えたのは一つの命なのです。

とは言え、この作品は悲劇的な話では終わりません。
母からの父と兄への二通の手紙が希望を与えてくれます。

母の深い、深い愛。

そして、夜のプールで泳ぐ姉弟のシーンは
忘れられないものとなりました。

私が見た2018年のベスト作品。

★★★★★

2018年12月27日 | Posted in movies | | No Comments » 

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